8月下旬、被災地の宮城県気仙沼市と岩手県陸前高田市を訪問しました。
6月初めの訪問に続いて2回目となります。
今回の訪問は陸前高田市での法律相談が目的です。
全ての相談者が自宅を津波で流されていました。また、親族の誰かを津波で亡くしていました。
? この実情は、統計資料でも裏付けられます。
陸前高田市のホームページの資料によると、陸前高田市の震災時の人口は2万4000人であるところ、1500人以上が死亡し、行方不明者も合わせて、2000人近くになるとのことでした。死亡行方不明者は12人に1人なのです。
皆さんの親族は父方と母方を合わせて20人くらいはいるはずです。そうすると、親族の2人は死亡行方不明となっている計算です。
また、全世帯数8000世帯のうち半数が被災し、全壊被災世帯は3800世帯に及んでいます。半数の世帯で家が全壊しているのです。
法律相談の後、被災した陸前高田市役所を見ました。一階の室内に車両が放置され、入り口にはランドセルや写真があり、衝撃的な風景でした。
現地ではたくさんの方とお話をすることができました。
その中で、ある方が、「名古屋のみなさんには感謝している。職員のみなさんが来ているし、NPO法人のかたにも助けてもらっている。どうやってお返ししたらよいでしょうか?」と仰っていました。
自宅が被災し、また、親族が亡くなっているにもかかわらず、このようなお声掛けがあり、大変ありがたいものでした。
弁護士は、法律相談という専門的な武器があります。この武器を生かして被災地に少しでも貢献できたらと改めて思いました。
8月28日に、陸前高田市役所仮庁舎を訪問したところ、職員の方とお話することができました。その際、「今日は小学校でイベントがあるから是非お立ち寄り下さい。」とのお誘いがありました。
この復興イベントは、「きてけらっせあ」という陸前高田の言葉がテーマとなっています。「いらっしゃい」という意味だそうです。
復興イベントでは、県立高田高校の子たちが運営ボランティアとして精力的に活動していました。ただ、高田高は津波で3階まで被災し、20名を超える在校生が死亡行方不明者となっている状況です。
「きてけらっせあ」と言える程度に復興しつつあることを感じました。
被災地の変わらない現実と、一方で、復興への道筋は確実にできていることを感じた2回目の訪問でした。